HOME > あさぬまwebかわら版 > 今月のトピックス > この一年間の「税務調査」を踏まえて
税務署の「年度」は、7月に定例の人事異動があるため、7月から翌年6月にかけてです。
したがって、調査の連絡は、異動の終わった「7月下旬から11月中」に一番多く、その後、「1月中旬から確定申告の前の2月中旬まで」と「4月から5月にかけて」の期間が多くなります。
今月以降、新年度としての税務調査が始まっていきますので、今回のかわら版は、この時期恒例のテーマ「税務調査」について取り上げます。
業種業態によって、重点的な調査項目は異なりますが、次の点は昨年度の共通の重点ポイントでした。
(1)雑収入的な売上げの漏れは無いか? (2)親族関係者など身内への給与や家賃等の支払いは適正か? (3)関係会社への支払いは、内容・金額など適正か? (4)源泉所得税の徴収は適正か? (5)特別な支出・損失、例えば固定資産税の除却・貸倒れの計上・退職金の支払いなどは 鉄・アルミなどの切りくずや仕損じ、建設現場での解体有価物等々の売却代金について、しっかり計上されているかは、昨年以前に相場が高かった影響で、現在の重点的な税務調査項目です。
この点について未計上があると、法人税だけでなく消費税、更には所得税の問題も出て、最高7年間の多額な修正となってしまいます。
親族関係者が会社に勤務していても、毎日常勤しており、その役割に応じた相応の給与を支払っている場合には、問題はありません。
主に指摘があるのが、「フル勤務」以外の親族社員・役員の場合です。
例えば次のケースのように、フル勤務ではない親族社員・役員である場合には、「具体的に一ヶ月のうち何日間、一日のうち何時間、具体的に何の仕事をしたのですか」と、具体的な説明を求められます。
特に、「時給」ではなく「月給」であった場合には、詳細な説明を求められます。
・「遠方にいる方」や「かなり高齢の方などで、出社が毎日であるとは考えにくい場合
・「学生」や「他に仕事を持っている方」、「子供が乳児である方」などフル勤務が難しいと考えられる場合
・一ヶ月のうち、短時間の勤務の場合
したがって、このようなケースの場合には、きちんと「出勤の事実」を出勤簿等で明らかにしておく、「具体的な仕事」の説明のできる事実を残すなどが必要です。つまり、「会社に対して、これだけの貢献があった」ということをしっかり説明できることが大切です。
役員であったとしても、「非常勤役員」としての給与であれば「 年額○○万円」位が限界なので、具体的な職務内容が必要です。非常勤役員は「月額10万円」なら大丈夫などという「形式枠」はまったくありません。
これが問題となると、会社の経費として認められなくなり、かつ、社長に対しての賞与としての課税を求められるなどが考えられ、何年分にも遡ると影響は大です。
また、親族に対しての地代や家賃の支払についても重点的な調査事項となります。「金額が高すぎる場合」や「金額のアップ・ダウンや、家賃をとったり、とらなかったりを頻繁にしていて継続性がない場合」などは問題となりますので、注意が必要です。
(3)関係会社への支払は、内容・金額など適正か? 関係会社に対して、材料の仕入・管理をさせたり、製造の外注先としたり、何らかな事務管理をさせたりなど、さまざまな業務を請け負わせることがありますが、関係会社間のやり取りについては、重点的な確認があります。
「具体的な業務は何か」と「その業務に対しての対価は適正か」という2点です。
例えば、材料の仕入会社を設立して仕入・管理を請け負わせている場合、仕入会社の請負業務が、「複数の材料業者の品質や価格を検討しながら材料を発注・納入・管理し、親会社の工場まで運搬もする場合」と、「材料業者は一社で、その業者に発注して、工場に直送させる場合」では、業務に相当の開きがあり親会社の仕入単価も異なるはずです。
支払っている「マージン相当」は業務に比して適正か、が常に問題になります。
特に、同じような仕事を「別の外部の会社」にも発注している場合には、「比較する」ことができるので、その内容や金額とのズレが大きいと説明を求められます。
源泉所得税の問題は、黒字申告・赤字申告に関係なく出てくる問題です。
例えば・・・
○社員の源泉所得税においての必要書類
社員に給与を支払う場合に、源泉所得税について、「甲欄課税」という扶養の数などを考慮した通常の源泉税にするためには、給与を支払う時までに「扶養控除等申告書」という用紙(一年に一度は必ず全役員・社員が書いている用紙)を会社に提出することが必要です。
例えば、「短期雇用の従業員が多い業種」や「年の途中でやめた社員」がいる場合に、この用紙がないと扶養の数などに関係ない「乙欄課税」という源泉税となってしまい、このような方が何年分にも遡ると、大きな金額の源泉税の負担となってしまう恐れがあるので、注意が必要です。
また、一年以上、日本に居住している外国人の方についても、上記の源泉税の取り扱いについては同様なので、「扶養控除等申告書」の完備は必要です。
○一人外注さんへの支払は、「給与」か「外注費」か
製造業・建設業・運輸業、又は軽作業の伴う卸売業・小売業等において、いわゆる「一人外注さん」に対しての支払いが、「給料」なのか「外注費」なのかは、よく問題となる典型的なテーマです。

本人の希望や、会社としての考えにより、いろいろな働き方や仕事の請け負わせ方はありますが、上記の表のとおり、その取り扱いには大きな差があり、税務調査で「外注費」としていたものが、「給与」として取り扱いを受けた場合には、過去に遡って「源泉税」と「消費税」を多額に負担する場面も生じてしまうかもしれません。
「一人外注さん」に対しての支払いが、「給与扱い」なのか「外注費扱い」なのかは、実務的には非常に線引きが難しいのですが、次の点を総合勘案して判断していきます。言い換えれば、「請求書があればいい、なければだめ」とか「日給月給払いでは絶対認められない」のように単純な、形式的なものではなく、次の9つの項目の総合判断となります。
・支払いの根拠(時給や日給か、請負か)
・請求書や領収書の発行の有無
・支払いの〆日と支払日(社員と同じか、一般支払日か)
・支払方法(手形や小切手が有り得るのか)
・福利厚生負担(忘年会等の負担は会社持ちか、本人負担させているのか)
・工具消耗品等の負担(会社持ちか、本人負担させているのか)
・危険負担(材料の賠償をさせているか、いないか)
・残業手当や通勤手当・賞与などが支給されているか、いないか)
・タイムカードや出勤簿などでの勤務管理をしているのか、してないか
繰り返しになりますが、「何がなければだめ」とか「これがあるからいい」とかいう話ではありません。
9つの項目のうちクリアできないものがあっても良いのですが、より多くクリアできるかです。
例えば、請求書の発行を要せず、会社の発行する「支払い確認書」への確認にて、当月の請求額を決定する業種・業態もあります。又、どうしても業種や業務内容として、日給的な決め方で支払い金額の根拠を決めざるを得ない場合もあります。その場合には、それ以外のところで、しっかり「外注費」の条件を主張できる環境が必要です。
逆に、請求書を発行し、支払金額の決定根拠が「業務請負…何個作る、どの工事を行う等々」だとしても、「その外注先だけ」他の外注と異なり、その会社の社員の給与と同じ〆日・支払日で、忘年会等も全て会社負担で、残業手当・通勤手当的なものがあり、社員と同じ日に賞与的なものを支払い、制服や軍手等々も会社持ち…など、他の項目が給与扱い的要素が強ければ、問題となる可能性はかなり大です。
固定資産の除却をした場合には、帳簿価額として残っていた金額を一括で償却することとなります。この場合に、除却の時期がポイントとなります。
機械などの除却の場合、決算内に処分・引き取りがなされたかどうかが問題で、決算日を過ぎていないかの確認がなされます。
逆に、相当前に除却がなされた分を遅れて計上していないかについても、「年度違い」となり問題となります。
貸倒れについては、破産が確定していたり行方不明であれば問題はありません。
しかし、債権放棄をしていても、先方が「細々ながら営業を継続」している場合などは、「まだ少しでも回収できるのでは…」という指摘を受ける場合もあります。その場合には、「実質は回収できない」という根拠をしっかり説明をします。
退職金については、親族役員の退職は重要な確認対象となります。ポイントは、「金額は多額すぎないか」と「本当に退職がなされたか」との2点です。
退職金に伴う税制は、長年勤務した後の一時金であるだけに、かなり優遇された税制です。支払う会社側は、損金(経費)となり、受け取る本人の所得税は、給与や賞与で受け取るよりも有利です。社長や奥さんにとっては、後継者への承継時には、一度きりの大型節税対策です。
金額的に多額の場合には、「在任年数」と「最終月額報酬」と「役職」を勘案した限度金額を超えていないかが焦点になります。
また、「本当に退職がなされたか」という点ですが、退職金は、「完全に役員を降りるケース」はもちろん支給対象ですが、「分掌変更」といい、役員のままであったとしても、次のようなケースの場合には、実質的には退職があったものとして、支給対象になります。
・例えば、常勤取締役が非常勤取締役になった
・取締役が監査役になった(持ち株規制はあります)
・報酬が半分以下となった
つまり、完全に退職しなくても、職務が大幅に変更・軽減し、実質的には退職と同等である場合に、退職金が認められるわけです。逆に言えば、「職務が大幅に変更・軽減」されていないと「実質的に退職していない」として否認されてしまいます。
社長職や経理担当を後継者に引継ぎをして、退職金を支給した場合には、「本当に実質的に退職したか」について、「引継ぎの状況」「その後のさまざまな決裁の状況」などの現況の調査をされます。
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事業を営んでいれば、どんな会社でも「税務調査」は避けては通れないもので、当社へいただくご質問でも、一番多いのがやはり「税務調査」の関連です。
「税務調査はどんな会社に来るのですか」という質問をよくいただきます。大変難しい質問ですが、経験則から言えば、次のような会社でしょうか。
・赤字の会社よりは、利益の出ている会社
(でも、赤字であっても源泉所得税や消費税の調査はあります。)
・期末近くに特別償却を計上する設備投資を行った会社(年度内に設備の稼動がなされているか)
・前回調査で大きな課題のあった会社
・大きな特別損失、例えば多額の役員退職金や廃棄損などを計上した会社
・急成長をしている会社や活況な業種など(ある時期に同業の会社の多くに調査が着手される場合など)
・粗利が異常に不自然であったり、同業種よりも決算に不自然さが目立つ場合
また、税務署が別の会社の調査の際に、「資料箋」と言って「領収書などの支払いの資料」を収集した場合に、その資料情報の確認を発端とする場合もあります。どこかに領収書を切っていれば、必ずその会社は売上げに上がるはずですから。
「調査をしたい」という旨の連絡が税務署から顧問先の皆様に入ったら、その連絡内容をよくお聞きの上、まず、当社担当へご連絡ください。
当社の方で間に立ち、具体的な日程その他を「皆様・当社・税務署」間で調整いたします。多くは2日程度の日程となるのが多いです。
また、事前連絡なしで調査官が訪れることもあります。
可能性としては、次のような会社です。
・日々現金を扱う業種(現金残高・現金管理の現状把握)
・グループ会社を何社か有する会社(会社間の取引状況の現状確認)
・社員数が多く、正社員・パート社員・派遣社員など雇用形態がさまざまな会社
(勤務状況や給与の支給状況の現状確認)
会社に訪問しての調査は、2日程度で終わりますが、その場で結論が出るわけではなく、その後、当社が顧問先の皆様の代理として、税務署へのさまざまな説明・折衝等などを行っていき、結論を導き出していきます。

資本金の額が1億円以下の法人の交際費については、従来は400万円に達するまでの金額の90%が経費となり、それ以外は経費になりませんでした。平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、経費になる枠が広がり、600万円に達するまでの金額の90%が経費になることになりました。
平成21年から平成22年までの間に父・母などの直系尊属から居住用家屋の取得等に充てるために金銭の贈与を受けた場合で一定の要件を満たすときには、この期間を通じて500万円まで贈与税を課さないこととされました。なお、この特例は、暦年課税又は相続時精算課税の従来の基礎控除又は特別控除にあわせて適用が可能とされていますので、
『暦年課税』の方は
従来の110万円+500万円=610万円
『相続時精算課税制度』を選択する場合には
3,500万円(住宅資金特別控除額1,000万円を含む)+500万円=4,000万円
まで、贈与税がかかりません(『相続時精算課税制度』を選択した場合には、その後の年において、毎年110万円まで贈与が無税になる『暦年課税』が適用されませんのでご注意下さい)。
法人税において、試験研究費の総額に係る税額控除制度等について、平成21年4月1日以後に開始する事業年度から次のとおりとされました。

所得税においても、上記と同様の措置が講じられています。
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