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休めない「資金」

 資金には「待った」や「土日」はありません。当然のことですが、「金利」は会社や工場が休日でもかかります。
 現下の状況において、「資金」に関するご相談を多くいただきます。
 会社の現状その他により「対策」はさまざまなのですが、今回は「資金」についての大事なポイントを取り上げていきます。

1.借入れについて

  • ともかく「早め」に金融機関へ話をする

 まず第一は、「早めに話をする」ことが鉄則です。言い方を変えれば、「資金上手の経営者の方の共通点」です。  特に現下の状況においては、「厳しさが増す前に話をしておく。借りておく。」ことが大変重要です。「早く借りておくと金利が損する」等々の考え方もあるかもしれませんが、「金利」に対する考え方は、次の項目をよくご覧下さい。  また例えば、数ヶ月後や半年後から「据え置き期間」が終わっての返済が始まってくる場合などに、今後厳しさが予想され、金融機関に「要望」がある場合には、直前ではなく「今の段階」から話を始めておかれることが肝要です。

  • 中小企業にとっては「金利」よりも余程重要なことがある(1)・・・・満額借りること・返済期間

 多少の「金利の上下」より、当然ですが「必要資金を満額借りられるかどうか」の方が重要ですし、借りる場合にも「返済期間」の方が、その後の資金繰りには多大な影響を及ぼします。  確かに、金利は安い方がいいし、返済期間が短いほうが総支払額は安くなるのは当然です。  しかし、現下の状況においては、例えば「『備えあれば憂いなし』としての資金」を、金利が多少余分にかかったとしても「早めに」手当てしておくことは、社長が「本業」に全力投球できる絶対条件です。  現在の状況下では、「借入金を減らして財務体質を強く・・・」ではなく、「借入れであろうが、いったん資金余力を持っておく」「借入金の純減にこだわらない」時期だと思います。

 また現実の資金繰りに最も大きな影響は「返済期間」です。3,000万円借りた場合に、金利が0.5%安ければ、確かに「年に約15万円」の節約です。しかし、通常の金利の場合に、返済期間が5年と7年では「月に約20万円・年に約200万円以上」の違いです。総支払額は、7年の方が多くはなりますが、避けるべきシナリオは、短く借りた結果、返済のための運転資金が詰まってしまい、また短期で借りざるを得なくなり、その繰り返しで資金繰りが悪化してしまうパターンです。

  • 中小企業にとっては「金利」よりも余程重要なことがある(2)・・・・与信担保枠

 よく「銀行借入れ」と「リース」のどちらがいいですか?という質問をいただきます。リースの方が一般的に「金利」は高めですし、全額支払った後も「自分の所有」ではありません。しかし、リース、特に機械の購入についてメーカーリース等々の最大の利点は「与信・担保」の点です。同一の銀行に設備資金・運転資金を全て依頼した場合には、「与信・担保」に限界があるのは当然で、その後の借入れに影響を及ぼします。  ここでは「リース」との比較でお話しましたが、中小企業にとっては「金利」よりも「与信担保」の方が重要な一例です。

  • 現在の緊急制度を十分に活用を

 昨年10月よりスタートした信用保証協会の売上減少等に伴う「緊急保証」については、その後、拡充を重ねて現在に至っており、現実に利用をした方もいらっしゃると思います。また、それ以外のさまざまなセーフティネット関連の貸付・地方公共団体の融資制度等々、現在の「緊急制度」を是非検討ください。

2.お金は「液体」、定期的にキャッシュフロー計算書の確認を

 「利益」と「資金」のズレは、主に次の3つが原因です。

(1)「売上げの計上時点」と「入金時期」のズレ。又は「経費の計上時点」と「支払時期」のズレ。「利益」は、売上げや経費をその確定があった時に計上することにより計算をするが、実際の入 金時期・支払時期は異なる。これに加え、入金時期と支払時期とのバランスが取れていないと、利 益と資金は大幅にズレてくる。

(2)在庫の積み上げ。在庫は、仕入費用・材料費・人件費・外注費等々の諸費用の支払いの集合である。それが、積み上がれば、資金化できていない「財産」をどんどん「仕入れている、作っている」に過ぎず、資金ばかりが出て行くこととなっている。

(3)設備投資の返済と経費額とのズレ。例えば、機械を購入して、減価償却での経費化に10年かかるのに3年で返済をしていったら、利益は出ているのに資金負担が先行してしまう状態になる。特に土地を借入金で購入した場合は、減価償却がゼロなので、完全に「利益からの返済」になり、大幅に相違してくる。

 「お金の流れという言葉のとおり、お金は水のような「液体」として流れていることが「会社の資金」として大切な点です。  設備や土地として、水が「固体」のようにある場合でも最終的には「売上」や「資金」という「お金」に変わって、また液体として流れてこないと相当の圧迫になりますし、人件費や経費のように「気体」、つまり、「支払」として会社から「消えた」場合でも、最終的には「売上」というお金に変わって、また液体に戻ってもらわなければ、相当の損失となってしまします。 言い換えれば、会社の「資産」や「経費」は、水のような液体である「お金」が「固体」や「気体」に変化したにすぎません。「在庫の廃棄」「不良債権の処理」などは、たまたま「固体」となっている「お金」を捨てていることと同じです。「お金」を「捨てる」人はいませんが、お金が「形を変える」とついその見方を変えてしまいがちです。

 上記の確認のためにも、四半期において必ず「キャッシュフロー計算書」の確認が重要となります。   例えば、次の会社の「キャッシュフロー計算書」をご覧ください。

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 「税引前利益」が「257万円」なのに、本業の資金状態を表す「営業キャシュフロー・・・本業でいくらの資金を得たか」では、680万円のマイナスとなっています。  これは、売上債権(受取手形・売掛金)の増加(456万円)や在庫の増加(321万円)等々で、会計上の利益は出ているが、営業資金はショートしている典型です。  更に「長期借入金が減っている」、つまり返済が進んでいるのはいいのですが、先ほどの「営業キャッシュフロー」のマイナスと「長期借入金の返済」のために「短期の借入金」が増加しています。

 短期的には、会社は「赤字」ですぐに「倒産」することはありません。液体である「お金」が水のように流れなくなった場合に起きます。  逆に言えば短期的には、「赤字」でも「資金」が流れることが最重要で、「前もっての話・前もっての手当て」を中心に考えていくことが肝要だと思っています。


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