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浅 沼:本日はご多忙の中、お越しいただきましてありがとうございます。
昨今の我々を取り巻く環境は当社の地元でも大変厳しい状況がつづいています。
先生が多くの企業の現場を見て、現在の状況はいかがでしょうか?
山口先生:自動車産業が大変な落ち込みですが、ただ単に自動車が売れなくなったというだけで
なく、電子部品も自動車には相当ついていますし、保険もついているという「裾野」が広
い産業だけに、それだけ自動車に頼っていたというべきでしょうか。
ただ、本日の講演で詳しく話をしますが、2007年から私が警鐘を鳴らしはじめ、情報
を的確にとらえた中小企業で、現在の状況に資金面などで備えた企業も多くありま
す。
浅 沼:先生の著書の中で、本日の演題に使わせていただいた「現場に解あり」という本があ
ります。その中で、中小企業は「モノではなくシステムを売る」としていくつもの例が載
っていますが、モノの単体ではなかなか売れない時代には大変重要な示唆だと思い
ました。
山口先生:確かに優れた技術を持った中小企業はいくつもあります。ただ、優れた技術から作ら
れた「製品=モノ」であっても、その「モノ」だけでは売れない時代になっていますし、や
がて海外生産にとって代わられるかもしれません。
例えば、パソコンなどの廃棄をする際に心配なのは、その中のデータがいくら消去した
つもりでも漏れてしまうのではないか、ということです。
だから、例えばトラックに特殊な溶液を入れた小型の「炉」を積んで、その中にお客様
が見ている前でパソコンを入れて溶かして見せる。このようなサービスがあります。
モノとサービスを融合した「システム」としての提供です。
浅 沼:なるほど。なかなか「炉」だけでは売れないかも知れませんが、個人情報保護などの
時代性に合わせてトラックに載せて「廃棄サービス」をその場で行うというひとつの「シ
ステム」ですね。
山口先生:そうですね。これこそが「付加価値」なんです。ただ、これらのシステムは中小企業1社
ではなかなかできません。そこで「連携」というのが重要なんですね。
浅 沼:先生は先程、情報のとらえ方と中小企業の話をなさっていましたが……。
山口先生:地域の中小企業でも世界に関係している、と思います。「世界経済・マクロ経済が我々
のような中小企業に何故?」と思われるかもしれません。
しかし、サブプライムローン問題・ベアスターンズの破綻そしてリーマンショックと続い
たアメリカの金融破綻や原油や資源の高騰などは、何故起きているのだろう、そして
今後、どのような影響をもたらすのだろうと、情報をとり、判断しなければなりません。
自社の仕事のみをやるのは「職人」であり、「経営者」は自社のとりまく現在と今後の
状況判断をしなければなりませんから……。
そのためには、新聞・ニュースの一方聞きではなく、自分で情報を取りにいくことが大
事です。例えば、私が主宰している「Small Sun」という組織があります。正式には「中
小企業サポートネットワーク」といいます。その中で、先程のような「情報」をとり「会話」
をしていくことで、「情報をとる術」を持っていくのも一つです。会費は月額2.000円で
す。
浅 沼:大きく社会が変化している今こそ「情報をとる技術」を持とうということですね。情報と
いえば最近新聞紙上に、中小企業を支援する「新連携支援」という文字が良く見られ
ますが・・・・・。
山口先生:世界的大不況は数年の調整は掛かるでしょう。大メーカーの下請けとして一社一存の
時代は終焉しました。これからは、自社の事業にもう一本の柱として、革新的な事業を
開発しなくてはならない時代です。
それを国が全面的に支援するのが、新連携支援です。私の著書
もそれがテーマとなっております。
浅 沼:そうですね。地元の企業からも農産物に「付加価値」をつけて売る商品開発に取り組
みたいとか、今の技術をコア技術にして、健康医療器具開発に取り組むとか、真剣な
調査研究に取り組み始めている所は数多くあります。
山口先生:中小企業は大企業にはない世界に通用する独自技術を持っています。新事業開発に
は「連携」の二文字なくして成功できないと思っています。
「異業種企業との連携」、「大学との連携」、「地域行政との連携」、政府の「新連携支
援認定」などによって、新しい革新的な事業が生まれています。連携で
「補助金」など国の資金とコーディネイターとして人材派遣してくれます。
新連携支援が認定される意味は大きいものがあります。
各新聞報道により、大企業連携の道も開かれます。成功事例を広告塔にして「連携」
の二文字を進めることです。
山口先生:最後に一言、重要なことを申し添えます。
大企業と一線を画し、革新的な新事業を立ち上げるのは、コア技術はもちろん、関連
技術の隅々まであらゆる分野で特許を取っておくことが重要です。経済的価値は、「特
許取得者」に属します。
浅 沼:ありがとうございました。
只今のお話をお聞きし、目先が明るくなり勇気付けられました。
心からお礼申し上げます。
異業種連携による新事業開発事例
- 東京都東村山市 メッキ工場 画期的消火器「消棒」の成功
- 大阪市 梱包材メーカー 環境デリバリーパックを事業化
- 北海道 農協出身者創業 中食食材キット事業化
- 長野市 金型メーカー 人工心肺装置開発
等々あり
現場に「解」あり! 山口 義行氏 著書より
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