中小企業・病院医院・資産オーナーを支援し続けて50年、栃木県足利市・群馬県太田市の総合会計事務所

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利益を倍増させる「見える化」のすべて

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1.人に仕事があり、仕事に人がいる

浅   沼:本日はご多忙の中、お越しいただきましてありがとうございます。

       先生は、多くの会社の経営改善に関するコンサルティングをしておいでですが、昨今
       の経済環境の中、共通してお話になられていることがありますか?


橋本先生:やはり受注が減っている会社が多いのが現状です。しかし、「不況期」には「不況期」
       に、今だからできることがあるのではと思います。「仕事を見つめ直すよい機会」という
       発想も重要ではないかと
思っています。
       お伺いしている企業の実例とすると、製品の種類や部品の種類があまりにも多くなり
       すぎたものを集約したり、人と設備の再配置を検討・実行したりなど内部体制の充実
       を強力に進めているなどがあります。


浅   沼:なるほど。本日のテーマは、「経営をよくする見える化」、言い換えれば利益を生む見 
       える化」ですが、先生が昨年、日本経済新聞出版社から出版なされた「社長!経営が
       見えていますか?」
の本のサブタイトルに「利益を倍増させる見える化のすべて」とあり
       ます。「仕事を見つめ直す」ことは、それにより、「社内」で利益を作り出すということな
       のかも知れませんね。
       ところで、この「見える化」でまず一番重要な視点は何でしょうか?


橋本先生:「見える化」というと、工場の回転灯や表示板などをすぐ思い浮かべますが、そんな
       「手段」の前に「誰が何を見たいのか」という「目的」を明確にすることが重要です。会
       社の行動は、短期の視点・長期での視点はあるにしても最終的には「利益」につなが
       らなければなりません。
「利益」につなげるために「誰が、何を、いつ、どれくらい見える
       ようにするか」がわかれば、問題の50%は解決されたのと同じです。

       このことを考える際に大切なことは、「人に仕事があり、仕事に人がいる」という一対一
       の関係だということです。
       例えば「不良品」を考える際に、管理者になればなるほど、「何の不良か」という視点
       ではなく、「誰の不良か」という視点が必要
だということです。組織は「役割分担」であ
       り、各部門はその役割に徹することで初めて全社的効果が上がるわけですから。

2.「責任部門」「2-8の原則」に立ち返る

浅   沼:例えば、具体例としてはどんなことでしょうか?


橋本先生:不良を絞り込んで要因・対策を検討する際、皆さんはどこを「見える化」し、着手の優
       先をどこから始めるでしょうか。まずは縦軸に「不良金額」、横軸に「責任部門」を置い
       てのいわゆる「パレート図」
で検討することが大事です。不良金額の計算は突き詰め
       れば難しいのですが、大枠でよいから不良を「金額」で表示するのを原則とし、それを
       「責任部門」すなわち「誰」で考えます。最初から「現象面(傷が付いた、変色があった
       等)は何か?」 や「機械別・部位別ではどうか?」を考えません。
       不良金額の一番多い「責任部門」はどこか、そしてその部門の不良の中で、数量と現
       象面の多いのは…と考えていきます。そして、その特定された不良にまずは取り組む
       ことです。


浅   沼:なるほど。優先順位の特定をどの視点で「見える化」することが大事で、かつ「利益に
       つながること」が最終目的だからこそ、不良も最初は「金額表示」が大切なわけです
       ね。


橋本先生:よく「2-8の原則」と言いますよね。全部門・全製品・全顧客という発想ではなく、上位2
       割を集中して取り組むことで、8割のカバーはできる
ということです。
       よく「全社的コストダウン」と言います。しかし、これは全員が同じコストダウン努力をす
       ることではありません。
       
       例えば、ある製造業でコストダウンを「製造部」に指示したとします。しかし、「各原価費
       目別」でかかってるコストを「その原価をコントロールできる部門は誰でいくらか」でグラ
       フ集計
してみると、材料費を管理できる部門は「設計部」か「資材部」がほとんどで、工
       場の製造部では製造歩留まりか不良低減くらいしかないかも知れません。「コストダウ
       ン=製造部や工場」という何となくのイメージでは、掛け声だけで成果は期待できず、し
       っかりその現状・原因の特定が「見える化」で必要です。


浅   沼:「この部分のコストダウンには、誰の役割が大きいか」を、やはり「誰」という視点でとら
       え、その点を集中して行うことで「2-8の原則」
が重要だということですね。


橋本先生:そうですね。最初にお話したとおり、「手段」の前に「誰が何を見たいのか」という「目
       的」を明確にすることが重要
です。会社の行動は、最終的には「利益」につながらなけ
       ればなりませんから。
       よく、「全製品の実際原価をしっかり把握するための見える化をしたい」という話を聞き
       ます。しかし、仮に知ったところで、その目的は何かという事です。コストダウンというこ
       とであれば、全製品ではなくそれこそ「2-8の原則」で考えることが必要
です。
       また、そもそも「実際原価」よりも、営業視点として「お客様のところで、この仕事を受け
       る・受けないの判断で使う」
ということであれば、とらえ方の視点はまったく異なってし
       まいます。現実は、その視点の方が多いのではないでしょうか。


3.小さな成功体験を積み重ね、金メダルを・・・


浅   沼:「見える化」をした後の「対策実行」において、重要な視点はどのようなものですか ?

橋本先生:例えば「不良品を出さない」という目標を考えた場合、「不良はゼロにする」という目標
       を立てるべき
です。「不良を半減する」などではありません。「いきなり絶対無理だ」とい
       う声が現場からは出そうですが、「ゼロ」の意味があるのです。キーワードは「小さな成
       功体験」
です。
       「一日だけゼロにする → 次は二日 → 次は一週間」というようにしていく。まずは、
       一つの品目を挑戦して、次に品目を増やしていく。よく「災害ゼロ 連続○○日」と工場に
       書いてあるのと同じです。
       マラソンも最初から42.195kmの距離を完走しようとしたら、とてつもないことと思えま
       す。しかし、5kmなら何とかなると思う。それを走れたら、次にまた5kmを走る。次の5
       kmの時は最初よりきついとしたら、「次の曲がり角まで」というように更に小刻みにし
       ていく。そのうちに完走しているというのが効果的です。


浅   沼:なるほど。目標は高くいうことは大切ですが、達成レベルは小刻みにしていくことが、
       階段を「一歩一歩」の大切さですね。


橋本先生:そうです。一つでも「金メダル」をとるという発想です。北京オリンピック陸上競技だけ
       で、トラック・フィールド合わせて男子24種目・女子23種目の計47種目も金メダルがあ
       るのです。陸上の世界一と言ってもこれだけあるのですね。


浅   沼:そうですか! 日本選手が上位で出場するものしかあまりテレビで見なかったので、意
       外ですが、それだけの数があるのですね。どれかひとつを金メダルをとり、徐々に増や
       していく
ということですね。
       最後に、この混沌の時代に企業経営に重要な視点として先生がお話になられている
       ことは、どんなことでしょうか。


橋本先生:3つあります。一つ目は「戦略化・プランニング化」です。短期的・長期的はあるにせよ
       「わが社の向かうべき戦略とそのプランニング」が最も重要なことについては言うまで
       もないですから。戦略が根本にあってこそ初めて、具体的な仕事を「前に、前に」進め
       ることができます。
       二つ目は「スピード化・フレキシブル化」です。速いことは現在の必須条件ですが、柔
       軟性も持ち合わせるということです。
       三つ目は「システム化・統合化」です。複数の部門でやっていたものをシステム化しま
       とめる、複数の会社でやっていた事業を統合していく、こういった発想がこれからは大
       変重要だと思っています。


浅   沼:本日は、ありがとうございました。次回の講演もどうぞよろしくお願いいたします。



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