HOME > あさぬまwebかわら版 > 今月のトピックス > 近頃の「税務調査」で聞かれることってどんなことですか?(続 編)

前回、7月号かわら版において、税務調査を特集しました。
今回はその続編です。
「税務調査」は、7月下旬から連絡が多くなる時期です。
この続編では、前回取り上げた「税務調査の具体的な留意点」の内容を続けていきます。
具体的な留意点は、業種業態によって異なります。前回は人件費の関係を主に取り上げました。今回は、その他の留意点について取り上げていきます。
まず、出張旅費全般についての指摘されやすい事項をあげてみます。
税務的に見て必ず問題となるのは、交通費・宿泊費・日当や現地での交際費等を「まるめて○万円」という形で、「渡し切り旅費」として「現金渡しの精算なし」というパターンです。
「一回○万円の渡し切り」という支給のしかたであり、これが更に「月に何回出張に行っても月額○万円の渡し切り」では相当の問題となります。
実費精算の可能な部分が実費精算になっていないと、税務調査では、大きな論点となる可能性が大です。
最悪の場合には、会社の経費として認められず、更に社長に対してあくまでも、交通費・宿泊費・交際費等は実費精算が原則です。

ここで、注意すべきことは「実費精算=領収書」とは限らないことです。
宿泊や交際費等は領収書をもらうことは可能です。しかし、「交通費」は、切符など領収書がでないものも、もちろんありますし、何かやむを得ない理由で、領収書が出ない場合もあるかもしれません。
その場合には、「精算書」にメモ書きするなどで構いません。
上記は、建設業等での「現場経費...現場でのジュース代等の諸雑費」なども、同様の考え方です。自動販売機から領収書は出るはずがありません。
したがって、どんな簡易な形式でも構わないので、例えば車のダッシュボードの中に「メモ書きの経費帳」を入れておき、買った都度に記入をしておいて「仮払いした現場経費を毎月、精算を行う」等の流れが求められます。
これが例えば、社長に月額7万円、専務に5万円、現場監督に3万円が「現場経費として渡し切り」という形だと、最大「月額15万円×12ヶ月×5年=900万円」の経費について「経費か否か」「それぞれの方に給与として課税するのか」という問題になる可能性が大です。
「領収書が出ない ⇒ 精算ができない ⇒ 精算せず渡し切りでもOK」とはならないので、注意が必要です。
次に、上記の表中の「日当」の取り扱いです。
出張旅費規程に基づいて、「日当」を支給している会社は少なくないと思います。ここで「日当」ですが、給与として源泉税の対象としているのであれば問題はないのですが、通常は「非課税日当」の扱いにしていることが多いと思います。
「非課税日当...会社は経費で、もらった側は課税なし」なのですが、特に社長や役員の日当が問題となるケースがあります。
ここで、税務的に「非課税日当」のそもそも意味するところをご確認ください。
意味合いは、自宅から勤務地(又は通常の距離の出張先)の往復では出費されない「諸雑費の実費費用」であり、例えば次のようなものでしょうか。
役員報酬の取り扱いについて、平成18年度に大きな改正がありました。
ポイントとしては、「定期同額給与」と言い、月々の役員報酬については、その年度一年間は、「一定の定額」が原則である、という事になりました。「上げる場合」でも「下げる場合」でも、期首から3ヶ月を超えた場合には、かなり厳格な一定の理由に該当しないと、役員報酬の一部が経費にならなくなり大きな問題が生じます。
ここで注目点は「下げる場合」というのが入ったことです。以前は「下げる場合」には、期の途中であったとしても原則的には問題は生じませんでした。
しかし、現在は下げる場合には、次の理由のどれかに該当しなければ、「下げた後の金額」が「基準」となってしまい、「下げる前の金額」との差が「上乗せされていた部分」として、「多すぎた」と認定され、下げる前の報酬の一部が経費にならなくなってしまいます。
ここで、一時的な資金繰りの都合や業績目標に達成しなかったことなどは、「経営状況の著しい悪化」には該当しないとの取り扱いが発表されています。
まだ、新しい法律なので事例は少ないのですが、今後、ケースによっては指摘がされることも十分考えられます。
「役員報酬を下げて、会社の業績の下支えに...」という社長の「経営的判断」と「税務上の取扱い」が相違してしまう場合も考えられるので、是非十分なご相談をください。
後に「売上げ・仕入れ・在庫の調査」です。これらは通常の場合、税務調査のメインです。
税務調査において、「売上げの漏れ」とは2種類の意味が有ります。
「その年度で計上されるべき売上げが、翌期にずれていないか」と「完全に漏れている売上げはないか」の2つです。また、売上げは、仕入れ(外注)と在庫と常に相関関係があります。
例えば、卸売業の場合に、「仕入れ」をしたものは、必ず「在庫」になっているか、「売上げ」ているかのどちらかとなっているはずです。具体的には、期末近くに仕入れをしたある商品が、「売上げ」になっているか「在庫」になっているかを調査していきます。
また、製造業や建設業の場合には、顧客への請求書・社員の作業日報・外注費の請求書から「仕掛りか」「売上げか」を調査していきます。
例えば、製造業で、作っている製品の製造工程期間が通常10日だとします。その場合に、「決算月の翌月5日に納品している製品」があるとしたら、決算日には製造工程の仕掛中であるわけで、それを仕掛品の明細から確認します。
もし載っていなければ「仕掛計上漏れか」となります。
また、建設業で、例えば外注の最終の請求書が2ヶ月前に届き支払っているのに、仕掛りとしてのっていれば「工事は終わっているはずで、売上漏れでは...」となり、もし仕掛りにものっていない、売上げもその後も計上した形跡がないとなると「完全に漏れているのでは...」となります。
各業種とも計上が漏れやすい一番のケースは「〆後の売掛金」です。例えば顧客への請求が「20日」締めの場合に、21日から決算日(31日)までの納品分の売掛金は、翌月以後の請求書に出てくることとなりますが、これが計上されているかの確認は必ず行われます。
更に、過去の「粗利率」や業界の「粗利平均率」、「在庫の回転日数」からも不自然な傾向にないかどうかを、全体的に確認をしていきます。
なお、場合によっては「社長や奥さんの個人の預金通帳を見せてください」と言われることもあります。これは、預金通帳の中で「どこかの会社や個人からの振込み」や「手形・小切手の取立て」がないかどうか、あった場合には「会社の売上げでは?」という確認のためです。
「調査をしたいのですが......」という旨の連絡が税務署から顧問先の皆様に入ったら、その連絡内容をよくお聞きの上、まず、当社担当へご連絡ください。
当社の方で間に立ち、具体的な日程その他を「皆様・当社・税務署」間で調整いたします。多くは2日程度の日程となるのが通例です。
会社に訪問しての調査は、2日程度で終わりますが、その場で結論が出るわけではなく、その後、当社が顧問先の皆様の代理として、税務署へのさまざまな説明・折衝等などを行っていき、結論を導き出していきます。
また、「飛び込み調査(無予告調査)」といって事前連絡なしで調査官が訪れることもあります。突然なので「社長がいる・いない」などいろいろな状況があると思いますが、まずは当社担当へご連絡ください。
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