HOME > あさぬまwebかわら版 > 税金かわら版 > 上場株式の「含み損」は決算で計上できるのですか?
上場株式については、まず評価方法として、時価法・原価法というものが定められています。時価法を適用する株式については、期末の簿価より時価が下がっていれば、評価損を計上することになります。
期末に保有する株式については、売買目的の株式については時価法、それ以外の株式については原価法により評価することとされています。「時価法」とは、取得した時の値段より時価の方が下がっているときは、その株式を時価で評価し、帳簿価額と時価との差額を評価損として計上する方法です。逆に、時価の方が上がっているときは、同じくその株式を時価で評価するとともに、その差額を評価益として計上します。 この時価法が適用される売買目的の有価証券とは、短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得した有価証券で、一定のものをいいます。 しかし、ご質問のような短期売買目的以外の株式については、「原価法」が適用されます。原価法とは、期末の簿価をその株式の評価額とする方法です。従って評価損や評価益は原則としては生じません。 ただし、例外として「価額が著しく低下した」ことに該当すれば、売買目的の有価証券であってもなくても、評価損(評価減)を計上することができることになっています。
以下の2つの要件が揃えば、「価額が著しく低下した」ことに該当します。

株式相場は通常でも常に2〜3割程度の変動を繰り返しています。その程度の価格の下落で著しく低下したというのは難しいことから、評価損の計上はおおむね50%相当額を下回る場合に限定されています。また価額の回復見込みについては、回復不能と見込まれる帳簿価額部分を経費にしようとする趣旨ですので、価額が底値から高値への上昇過程にあるような場合には、これについて評価損の計上を認めることは適切ではないと考えられています。
はい。どのような状況であれば、「近い将来回復が見込まれない」と言えるのかが問題となります。株価の回復可能性の判断のための画一的な基準を設けることは困難ですが、会社が期末において、過去の市場価格の推移や市場環境の動向、株式を発行している会社の業績や財政状態を総合的に勘案した合理的な判断基準を示すことができれば、税務上もその基準は尊重されるものと思われます。 この場合、専門性を有する客観的な第三者の見解があれば、これを合理的な判断の根拠のひとつとすることも考えられる、といわれています。 具体的には、専門性を有する第三者である証券アナリストなどによる個別銘柄別・業種別分析や業界動向に係る見通し、株式を発行している会社に関する企業情報などを用いて、その株価が近い将来回復しないことについての根拠が提示されるものであれば、これらに基づく判断は合理的な判断であると認められるものと思われます。
申告をやり直す必要はありません。あくまでも、その評価損の発生した事業年度においては合理的な判断のもとに評価損を計上したわけですから、それをさかのぼって修正する必要はありません。
- Copyright (c) 2009 浅沼経営センターグループ All Rights Reserved -