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御社の償却費はいくらですか?〜減価償却費の改正〜

Q1. 平成20年度の税制改正で、減価償却制度について大きな改正があったと聞きました。どのような内容の改正だったのでしょうか?

平成20年度の税制改正においては、減価償却資産の耐用年数に関する法律の改正がありました。内容としては、
  • 細かくて煩雑だった資産区分を大括り(おおくくり)化し、
  • 耐用年数を見直す
というものです。 例えば、自動車製造関係の機械装置の耐用年数については、以下のように変更がありました。

Q2. 15あった区分が1つの区分にまとめられてしまうんですね。

機械装置全体で見ると、390区分が55区分になります。従って、例えば「その他の車両部分品又は附属品製造設備」として12年で減価償却していた設備は「9年」になり、耐用年数は4分の3に短縮されます。つまり、早く減価償却ができるということです。 逆に耐用年数が延びれば、最初の減価償却費は少なくなってしまいます。利益計画を立てる場合には今期から要注意です。

Q3. 当社では車両用ブレーキを製造しているため、機械装置については上記の11年で減価償却をしてきましたが、今期、従業員の給食を作るための厨房設備を購入して工場に設置しました。これも車両用ブレーキを作る工場の中にある資産なので、同じ11年で減価償却していけばいいんですよね?

どの「設備の種類及び細目」に該当するかは、その法人の「業種」で判断するのではなく、その設備が「何を作る機械なのか」で判定します。従って、ご質問の資産については、その構成や使用状況が通常の飲食店業用の設備と同様であれば、「飲食店業用設備」の区分に該当し、耐用年数は「8年」となります。

Q4. 確かに厨房設備は車両用ブレーキを作るための設備ではないですものね。

その通りです。従って同じ機械装置でも「何を作る機械なのか」「何に使う機械なのか」によって耐用年数が異なりますし、全く違う機械装置でも「車両用ブレーキ」を作る資産であれば、同じ耐用年数になります。

Q5.どんな資産でもそのように「何を作る資産なのか」で耐用年数が決まるのですか?

そうではありません。機械装置や設備は「総合償却資産」と呼ばれ、「何を作る機械なのか」で耐用年数が決まります。従って、例えばこれは極端な例ですが、1つの工場の中で車両用ブレーキを作るラインと、家具を作るラインがあれば、前者はそのラインのすべての機械装置の耐用年数が9年、後者はそのラインのすべてが11年(「家具又は装備品製造業用設備」の耐用年数は11年)となります。 車両用ブレーキを作る機械と言っても、いろいろな機械があるわけで、厳密に言えば機械毎にその耐用年数は異なります。しかし、実務的には煩雑さを避けるため、「車両用ブレーキ」を作る機械はすべて「9年」と決めています。  これに対し、「個別償却資産」と呼ばれるものがあり、「建物」や「車両」、「備品」などがこれに該当します。この「個別償却資産」についてはその一つ一つの資産毎に、構造や用途により耐用年数を決めています。例えば事務所用(用途)の「建物」の場合、その構造が鉄骨鉄筋コンクリート造の建物なのか、木造の建物なのかにより、耐用年数が異なります。(ちなみに前者の耐用年数が50年、後者が24年になります)。

Q6. 総合償却資産の方が同じ耐用年数を使えて楽なので良さそうですね。

総合償却というのは、個別の資産毎に個別の耐用年数を適用して減価償却費を計算をする煩雑さを避けるためのものですので、確かに計算を簡便化することができます。ただし、計算が簡単になる反面、注意する点もあります。それは中古資産を購入した場合です。

Q7. 中古資産を購入した場合には、短くした耐用年数を使うことができるんでしたよね? 確か、 法定耐用年数の一部を経過している場合には、 「(法定耐用年数△経過年数)+経過年数×20%」 ※10年使用した耐用年数15年の資産であれば、(15年△10年)+10年×20%=7年 法定耐用年数の全部を経過している場合には、 「法定耐用年数×20%」 ※20年使用した耐用年数15年の資産であれば、15年×20%=3年 だったと思いますが...?

その通りです。その取扱いが、総合償却資産についてはありません。若干の中古資産を取得しても全体で計算した平均値の総合耐用年数には影響がないと考えられていますので、総合償却資産である機械装置については、大幅に入れ替えをした場合等を除き、中古資産を購入した場合でも、法定耐用年数により減価償却することになります。つまり、中古資産を購入しても耐用年数を短くすることはできません。

Q8. この改正後の耐用年数は、いつから適用されるんですか?

既存の減価償却資産も含め、平成20年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。

Q9. 「既存の資産も含めて」という事ですが、当社は3月決算で先ほど申し上げたように車両用ブレーキを製造しているので、平成20年3月決算までは11年で減価償却し、平成21年3月決算からは9年で減価償却をするということですか?

そういうことになります。お話に出た車両用ブレーキ製造設備であれば、耐用年数が11年から9年と短くなる分、1年当たりの減価償却費が大きくなります。ですから予算や事業計画を作成される際には、十分ご注意下さい

Q10. 当社で使用している車両用ブレーキ製造設備で、購入してから10年を経過し、当期で11年目になるものについてはどうなるのでしょうか?新しい耐用年数ですと、もう法定耐用年数を超えてしまっていますが...?

そのまま新しい耐用年数に応じた償却率をかけていただくことになります。具体的には取得価額の5%に達するまで新しい耐用年数で償却し、その後は残存簿価が1円になるまで均等償却をすることになります。具体的には次のようになります。

Q11. 1円まで減価償却できるんですね?

はい。19年度の税制改正において主に以下のような改正が行われたことにより、従来よりも多くの減価償却費を計上できるようになっています。
  • 平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産
    耐用年数経過時点に「残存簿価1円」まで減価償却できるようになりました(従来の資産は耐用年数経過時点で取得価額の90%しか減価償却できませんでした)。
  • 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産
    簿価が取得価額の5%に到達するまで減価償却した資産については、その到達した事業年度の翌事業年度(平成19年4月1日以後に開始する事業年度に限られます)以後において、上記の例の通り、残存簿価1円まで減価償却できるようになりました。
  • 平成19年4月1日以後に取得した定率法を採用する減価償却資産
    適用される定率法の償却率が大幅に大きくなり、従来に比べ、早い段階において多額の減価償却費を計上することができるようになりました。
  • 詳細は、弊社担当にお問い合わせ下さい。


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